CULTURE
メンバーインタビュー | サステナビリティシニアエキスパート 高村比呂典「サステナビリティの未来を切り拓く。」
「肩書きはあっても、前職時代とやることは変わらないんですよ」柔和な笑顔で淀みなく話す姿が印象的なその人は、カスタマーサクセス本部 サステナビリティシニアエキスパート 高村比呂典さん。学生時代〜前職までおよそ30年間、環境やサステナビリティの仕事に携わっており、気候変動のみならず、環境・労働安全衛生・社会人権までを含むサステナビリティ分野について、幅広い業種の事業者を支援してきた、業界内でよく知られている、スペシャリストのひとりです。2024年5月からゼロボードに参画した高村さんの、現在の仕事とこれまでについて伺いました。
高村 比呂典(Hironori Takamura)
事業会社での環境部門等を経て、ERM日本株式会社、EY新日本有限責任監査法人およびアクセンチュア株式会社にてそれぞれサステナビリティに関するコンサルティングサービスを実施。気候変動のみならず、環境・労働安全衛生・社会人権までを含むサステナビリティ分野について、幅広い業種の事業者を支援。サステナビリティに関しては20年以上の経験を有し、気候変動のほか、化学物質管理などにも特に強みを持つ。2024年よりゼロボードに参画。趣味はランニングと食べ歩き。
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想像よりずっと長いキャリアに
ー 学生時代から一環して「環境」「サステナビリティ」「気候変動」というテーマに携わってきているのを感じます。こうした分野に興味を持ったのはいつからですか。
大学での専攻が水環境に関する研究だったんです。実は成績順で選べる仕組みで、選択肢が限られていたんですよね(笑)。でも、そこから水道や洪水対策の研究をして、環境に対する興味が自然と芽生えました。ただ、当時はそれが将来30年も続くキャリアになるなんて想像していませんでした。
ー 最初に就職した会社ではどのような仕事をされていたのですか。
最初の職場ではメーカーの環境部門で、省エネ、PR、法規制対応などに携わりました。その後は社内のITシステム開発にも関わりました。いろいろな仕事を経験していく中で、次第にコンサルティング業界に進むことを決意しました。
ー コンサルティング業界に転職されてからは、どのようなキャリアを歩まれたのですか。
ERMやEY新日本有限責任監査法人、アクセンチュアといった企業で働きました。気候変動や社会人権、労働安全衛生など、幅広いテーマに取り組みましたね。お客様が抱える課題に深く入り込みながら解決策を提供していく仕事は、とてもやりがいがありました。
「2回目」の内定を経て
様々な会社で多様な職種を経験しつつも、環境やサステナビリティというテーマと向き合い続けてきた高村さん。転機となった瞬間は、前職でのお客様とのやりとりの中にありました。
ー ゼロボードを知ったきっかけはなんですか。
2年ほど前でしょうか。当時コンサルティングファームでGHG(※1)算定・可視化ができるシステムを導入したいお客様と仕事をしていて、「ゼロボード」の名前をよく耳にするようになりました。実は前回の転職時にもゼロボードの採用面接を受けていて、内定をいただいていたんですが、その時は別の選択をしました。でも、やっぱりゼロボードで働いてみたいと思って今回再挑戦したんです。
ー ゼロボードで働く決め手となったポイントは?
一番はカルチャーです。社員同士が『助けましょうか?』と声を掛け合う文化があり、それがとても魅力的でした。また、スタートアップならではのスピード感も大きな決め手でしたね。1度目の内定をいただくまでに話した方々は皆素敵な方々でしたし、2度目の応募となった今回も同じことを感じました。
もっと現場でお客様や同僚と一緒に働きたい、という想いもあり、それが叶えられると感じたのも大きかったです。
ー かなり大きな規模の会社も多数経験されている高村さんですが、ゼロボードに参画してびっくりしたことはありますか?
変化のスピードが速いことが一番ですね。想定はしていましたが、それ以上に速いと感じました。たとえば、私は5月に契約社員として入社したのですが、7月には正社員になりました。こうした柔軟性やスピード感は、ゼロボードらしさを象徴していると思います。
また、スタートアップならではの環境で、個人の業務範囲が広いと感じます。見積もりの作成や請求書の確認まで自分でやるのは、以前の大企業では考えられませんでしたが、むしろ今の方が好きです。
長期的な視点で、戦略を立てる
ー 高村さんが現在ゼロボードで取り組まれているお仕事「サステナビリティシニアエキスパート」について詳しく教えていただけますか。
お客様のGHG排出量の可視化やツールの導入をサポートに加えて、お客様が気候変動やサステナビリティ等に対応する際の考え方や戦略を一緒に描くのが私の役割です。例えば、気候変動って今後どうなるかわからないですよね。2100年に平均気温が1.5℃上がる世界と4℃上がる世界、どちらもあり得ます。その中で、1.5℃に抑えるためには再生可能エネルギーを使う必要がありますし、政治の状況によっては4℃上がる世界になる可能性が高まったりもします。
しかし、事業者としてはどちらの世界に対しても戦略を立てておく必要があります。どちらになったとしても大丈夫ですよ、という状態にできるように準備して、コミュニケーションをとって伴走していくことが仕事です。
ー たしかに、ツールと同時にそれを活かす術が必要ですね。
はい。GHG排出量などの企業活動における非財務情報全体を、この5〜6年でその会社がどう取り組んできたのか?ということを開示する世界になっていくと思います。社会・人権ももっと厳しくなりますし、変わっていくと思います。企業はそれを示す数字を作らなければならないので、そのお手伝いができればと思っています。
ー そんなお仕事をされる中で、いま大事にしている考え方を教えてください。
『クライアントセントリック』という言葉があります。顧客中心主義、お客様が望んでいることを理解する、という意味です。
そもそも、我々からのアドバイスはお客様にとって「短期的には」意味がないことがほとんどです。社会課題を解決する事業や従業員の能力最大化など長期的なサステナビリティの観点を持たずに、短期的な売上に注力した方が目先の利益にはなるかもしれません。でも、そんな会社はきっと10年後には存続してないですよね。10〜20年後にも持続的に利益を上げ続ける提案をしていきたいですし、この先は持続的にできないと儲からないような仕組みになると思います。
そこに向けて、サステナビリティの観点を取り入れながら、10年後、20年後の未来を見据えた支援を心がけています。
30年間の経験を還元したい
ー 改めて、どんな人がゼロボードに合っていると思いますか?
社会や環境の未来を長期的に考えられる人が向いていると思います。
また、スタートアップならではのスピード感や柔軟性を楽しめる人にも、ゼロボードはぴったりだと思いますね。
ー 最後に、今後の目標を教えてください。
これまで約30年間サステナビリティに関わってきて、海外ともたくさん仕事をさせてもらっていますし、講演の機会などもたくさんいただいて、かなり貴重な体験をさせてもらいました。
その経験を、次世代に還元していきたいです。講演やセミナーを通じて、若い世代を育てていくことが目標ですね。また、ゼロボードを通じて、より多くの企業の持続可能な成長を支えていきたいと思っています。
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私たちの企業理念は「気候変動を社会の可能性に変える」。企業の脱炭素化の取り組みを下支えするとともに、その取り組みを事業機会に変えていけるよう全力を尽くしていきます。
ゼロボードでは随時採用中です。ご興味をお持ちいただけましたら、採用ページからお問い合わせください。お待ちしています!
(※1)GHG:Greenhouse gasの略で、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスのこと。GHGの排出量の増加が、地球温暖化の大きな要因と考えられている。